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孤塁 [思うこと]

孤塁を守る・・・孤立したとりでを守る。転じて、孤立無援の状態にありながらも、一人、あるいはわずかな人数でことを進めて行くことをたとえていう語。(精選版 日本国語大辞典より)

東日本大震災に関しては、結構な数の本を読みました。その中でも印象に残った一冊が、福島県双葉消防本部の消防士たちに関して書かれた「孤塁」です。

まさに、応援を得られることなく淡々と自分たちにできること、職務を遂行されていった消防士の方々の記録が書かれています。

その中で印象に残った一文を引用させていただきます。
「小さな子供の遺体が忘れられない。車の中で、母親がしっかり抱きかかえて亡くなっていた。日にちが経っているため、ミイラのようになってしまった遺体もあった。原発事故がなければ、翌日には捜索できた。仮に亡くなってしまっていたとしても、こんな状態で見つかることはなかっただろう。」

復興というと津波被害が取り沙汰されますが、そこには福島原子力発電所の崩壊も含まれることをもっと知らしめなければいけないと思います。

であれば復興とはまだまだ先のことであり、ましてやそこに暮らしてもいない人間が軽々しく口にしてはいけないと痛切に思っています。

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momotaro

原発事故は人が近づけなくなるので、本当に痛ましいことになります。今は廃炉作業に入っていますが、難題だらけで何年かかるやら見通しも立ちません。廃炉中に地震や津波が再来すれば、更なる放射能放出が起こります。
厄介至極です。事故の起こらぬうちに、全ての原子炉を解体すべきです。
by momotaro (2021-03-15 00:39)