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中村哲さん [本]

2019年12月4日、アフガニスタンのシャララバードで銃撃され亡くなられた方です。

医師でありながらアフガニスタンで灌漑工事されていたということに驚きを持ち、その人となりを知りたく、現在中村さんの著作を読んでいます。

「天、共に在り」中村さんの自伝的著作です。

学問ができる方というのは理系も文系もないという評価を聞いたことがあるのですが、中村さんはまさに医師でありながら、文章力も卓越したものがあると感じました。

つまり私のようなものが読んでも、非常に分かりやすい文章なのです。

アフガニスタンという国で、医療において手助けを始める。しかし、それだけでは根本的に助けることにならないと感じ、人が健康に生きていくことに重要な水源確保のために井戸や用水路の確保に着手します。

この行動力は、まさに現場にいるからこそだと思います。

2008年に日本人が誘拐され、翌日遺体で発見された事件で中村さんがこう書かれています。

一人の人間の死は厳かで、肉親を失った時の情は、世界中同じである。だが報道でもたらされる虚像は、しばしばアフガンの空爆の時と同じだった。ある者は美談を作り上げ、ある者は「それ見たことか」と言わんばかりに批評した。政府関係者の中には「日本も尊い犠牲を出した」と胸を張ったものもいる。愚かなことである。

この一文に、現場の実情を何も理解できていない者どもへの中村さんの怒りと哀しみが込められていると感じます。

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コメント 2

gonntan

>この一文に、現場の実情を何も理解できていない者どもへの中村さんの怒りと哀しみが込められていると感じます。
人としての最低限の共有共感ができる感性を失わないようにしたいですね。
by gonntan (2020-11-15 22:10) 

momotaro

中村哲さん、現地の医療と土地の開拓に努めた。日本人の誇りです。ご冥福を祈るばかり
by momotaro (2020-12-03 06:28)